アクアリウム学 [海水]

海水の成分

地球上の海水の量は約13.7億 km3で、地球上の水分の97 %を占めます。密度は1.02 – 1.035 g/cm3です。

海水(かいすい)とは、水を主成分とした、3.5 %程度の塩(えん)と微量金属から構成されたものです。海水は溶け込んでいる塩分のためにpH8程度の弱アルカリ性になっています。

海水の塩分濃度は測定の位置により一様ではないものの、塩分の構成についてはほぼ一定です。

*クヌーセン(1901年)の研究成果

水に塩を溶かしても海水にはなりません。つまり、塩化ナトリウム(NaCl:塩)が3.5 %溶け込んでいるわけではなく、色んな無機質イオン(塩類)の集合体が溶け込んでいます。また元素的には自然由来の元素92種類の全てを含みます。

3.5 %中の海水の主要成分

イオン元素記号濃度(g/kg)
塩素イオンCl19.350
ナトリウムイオンNa+10.760
硫酸イオンSO42-2.712
マグネシウムイオンMg2+1.294
カルシウムイオンCa2+0.412
カリウムイオンK+0.399
炭酸水素イオンHCO32-0.145
臭素イオンBr0.067
ストロンチウムSr2+0.0079
ホウ素B3+0.0046
フッ素F+0.0013


ここに上げた主要11イオンで、塩分35‰のほぼ99.99%以上を占めています。残りは0.01%弱の中には沢山のイオンが少しずつ含まれています。

海水中の塩分濃度はヒトの血液(体液)の塩分濃度の3倍程度ですが、魚類の血液(体液)の塩分濃度も陸上動物の血液(体液)の塩分濃度と大きな差はありません。すわなち、海水魚は自分の体液よりも濃い海水中で生活し、淡水魚は自分の体液よりも薄い淡水中で生活しています。

その為。浸透圧の仕組みで、海水魚は体液が外に抜け、淡水魚はまわりの水が体内に入り込みます。だから海水魚は大量の水を飲み、エラから塩分を排出します。逆に淡水魚は多量の尿を排出し、塩分は尿細管で回収します。

サケやウナギ、あるいはアユといった成長の段階で海水と淡水を生活の場を変える魚は、その際にごく短時間でこうした代謝のしくみを変える事が出来る驚異のスーパー生物です。

海水中の塩分はヒトの血液(体液)よりも濃いので、ヒトが海水を飲むと血液(体液)の塩分濃度が高くなり、ますます喉が渇く事になります。しかし、海鳥やウミガメは海水を飲んで水分を補給することが出来ます。これは一体どういう事なんでしょうか。

実はヒトには持ち合わせていない、目と鼻の間にある塩類腺(えんるいせん)という器官で、余分の塩分を排出しています。

なので、産卵の為に上陸したウミガメがあたかも産みの苦しみで涙を流している様に見えますが、実のところ塩類腺から塩分を排出しているというのが正解です。