酸素を作る海の生き物・前編

「植物が酸素を作っている」私たちは子供の頃、そう理科の授業で習いました。校庭にある草木の葉っぱに集気瓶・石灰水などを使って実験し、「植物が二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出し」「私たち動物はその酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す」つまり、呼吸出来る(生きる事が出来る)のは、植物のお陰なので「緑を大切にしましょう」と。この[緑]のイメージとしては、森林などの陸上植物が脳裏に浮かびます。でも実際は・・・

海に生息する緑藻類(りょうそうるい)やシアノバクテリアが、大気中の70%の酸素を生産し、残り30%を陸上植物が補っています。これは一体どういう事なのでしょうか。

嫌気性細菌(けんきせいさいきん)は、私たちヒトの先祖だと云われています。「えっ、それが酸素を作る海の生き物と何の関係があるのか」って?実は大有りなんですよ。

お話の舞台はうんとむかしむかし、46億年前にまで遡ります・・・

46億年前、地球が誕生しました。生まれたての地球は、地表を岩石が溶けたマグマで覆われ、その周りを水蒸気・窒素・二酸化炭素など、ガスの原始大気が包んでいました。やがて地球の表面温度が下がり始めると、原始大気の中に含まれていた水蒸気が雨となって1000年ほど降り続き、[原始の海]が生まれました。この[原始の海]は強酸性で、とても生き物の棲める環境では無かった様です。

酸性の海はその後、地表のカルシウム・鉄・ナトリウムなどをだんだんに溶かし、現在の弱アルカリ性の海水になって行きました。これが自然由来の元素92種類全てが、海水に含まれている理由です。またこの元素によって塩っぱい味がするのです。海は今、43億歳くらいと考えられています。

36億年前、海の誕生から7億年くらい経った頃、海水に溶け込んだアンモニアガス・メタンガスに熱水(海底から吹き出す高温の水。圧力が高いので100℃以上になる事も)や紫外線を含んだ太陽光・落雷(他にも隕石落下地点説)などの強大なエネルギーで刺激され化学反応を起こし、アミノ酸や核酸などに変化しました。これは無機質から有機質が生まれた偶然の出来事でした!有機質を含んだ海水は[生命源のスープ]の様なもので、色々な成分の[スープ]が、潮汐や天候で約1億年ほど撹拌(かくはん)されました。

35億年前、この[有機物質スープ]の中で、「原始生命体」 = 偏性(絶対)嫌気性細菌(単純な構造の嫌気性細菌のひとつ)が、自然発生したと考えられています。

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