クラゲが増えると魚が減る?

世界には8種のウミガメが棲んでいます。そのうちアカウミガメ・アオウミガメ・タイマイ・ヒメウミガメ・オサガメ・クロウミガメの6種が日本に棲んでいます。

日本でよく見られるのは、アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイで、この3種が日本の砂浜で産卵する種類でもあります。

また、ウミガメはエサの食い分けによって競争関係を回避していると云われています。アカウミガメは貝(軟体動物)やヤドカリ(節足動物)などの底生動物、アオウミガメは海草や海藻、タイマイはサンゴ礁に生息するカイメン、オサガメはクラゲ類、ヒメウミガメは小さな底生動物を食べているようです。

オサガメがビニール袋をクラゲと間違えて食べてしまう、というショッキングな映像を見た事がある方も多いと思います(海洋プラスチック問題)。

しかし、実はクラゲ自体の数は年々増えています。

人間が魚を多く取り過ぎてしまった為、クラゲの数はかつて豊富だった魚の数に取って代わってしまった事をご存知でしょうか。更にクラゲは魚の卵やエビカニなどの幼生を食べます。これは将来、魚やエビカニがもっと減る事を示唆します。つまりは巡り巡って私たちヒトに跳ね返ってくるのだと考えられているのです。

タイマイが泳ぐサンゴ礁では日焼け止めに含まれる添加剤成分がサンゴの白化減少を引き起こしているのでは、という疑いが10年くらい前からありました。

サンゴは動物ですが、光合成によってエネルギーを得ています。それは体内に[褐虫藻](かっちゅうそう)という藻類を共生させ、その光合成産物によって栄養を摂取しているからです(種類によっては動物プランクトンなども捕食します)。

サンゴの骨格は白色ですが、褐虫藻を体内に取り込む事により、有色となります。サンゴから褐虫藻がいなくなると元々の白い色になり、再び褐虫藻を取り込まなければ、主たる栄養源が無くなり、やがて死んでしまいます。これが白化現象です。

日焼け止め成分が藻類に潜伏感染している休眠状態である、ある種のウイルスを活性化させてしまい、サンゴが異常を感じて褐虫藻を体内から放出する事によって、白化が起こると推察されています。その日焼け止め成分とは、紫外線吸収剤の「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」の2つです。

先駆けて米ハワイ州では2021年1月1日より両紫外線吸収剤の含まれた日焼け止めの販売と流通を禁止する法律が施行されます。また、サンゴ白化だけでなく、飲み水や魚類にも入り込む為、人体にも影響を与えている可能性があると警鐘を鳴らしています。

現在、徐々に各化粧品メーカーが、代替えとして紫外線散乱剤の「二酸化チタン」や「酸化亜鉛」を利用した日焼け止めの開発製造に取り組んでいます。

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