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ムカシサンゴ[Stylocoeniella guentheri Bassett-Smith,1890]

《和名》 ムカシサンゴ
《学名》Stylocoeniella guentheri Bassett-Smith,1890
スティローコェニッラ・ゲンティーリ バセットースミス,1890
《分類》刺胞動物門>花虫綱>六放サンゴ亜綱>イシサンゴ目>ムカシサンゴ亜目>ムカシサンゴ科>ムカシサンゴ属
《その他の区分》好日性サンゴ・ハードコーラル
《莢径》約1mm
《生息場所》パッチリーフやリーフ外縁・水深5~20m
《特徴》
群体の形状は塊状または被覆状で、被覆状になる群体は海藻の根部分を包み込む様に増殖するのが見つかります。本種は海藻の他、イバラカンザシやホヤ類が付着している事が多いようです。
フィリピン~日本の関東くらいまで幅広く生息します。波当たりの弱い場所では、枝状っぽくなる事もあります。突出した頭頂部には長さ約1mmくらいの長円錐形で先の尖った微細なトゲが生えています。このトゲは突出部を下るに連れ、急速に小さくなり、谷間では消失してしまいます。この特異なトゲの分布によって、容易に多種と区別出来ます。共肉が分厚く濃色な為、一見して莢を認めにくい特徴も持っています。日中もポリプを咲かせます。
触手そのものは褐色で、口盤は緑・青・黄の他、白・紫・赤・ピンク色など単色ながら様々な色彩バリエーションを持ちます。隔壁は大小6枚ずつ。本種に似たヒメムカシサンゴは、群体が小さい事・肉部の色が淡い事・トゲが太い事・隔壁は12枚ともほぼ同長である事や、大きなサンゴの下面や岩の隙間など直接に陽の当たらない場所で見つかる事などで区別出来ます。

《飼育》
◎水質
清浄な水に越した事はありませんが、要求はそんなにうるさくないです。
◎照明
明るい場所にも生息しますが、特に強い光は要求しないようです。岩の小さな凹みにも棲みますので、導入直後は灯具から離れた場所や影になるような場所(少しくらい薄暗い方が安全)からスタートし、様子を見ながら少しずつ明るい場所へと移動させ、好みの場所を見つけてあげてください。
◎水流
流れに対して垂直・水平どちらの場所にでも生息します。これも弱い水流からスタートし(但し、形状によってはデトリタスが溜まりやすくなるので、最低でもその点は注意が必要)、移動させながら好みの場所を見つけてあげてください。
◎給餌
天然海水での換水なら、特に不要かと思います。人口海水の方は、本種のようにポリプの小さなサンゴの主食は基本的にナノプラクトン(バクテリア)です。殺菌灯やUV入りの灯具を利用の方は、他のサンゴのおこぼれで充分ですので、ポンプ類の電源をOFF(数分~30分程度)にして飼育水に満遍なく漂う感じで給餌してあげてください。調理用のオタマなどでゆっくりかき混ぜてやるとやり易いですよ