
《和名》ハナヤサイサンゴ
《学名》Pocillopora damicornis(Linnaeus,1758)
ポチィローポラ・ダミコール二ッス(リンネ,1758)
《分類》刺胞動物門>花虫綱>六放サンゴ亜綱>イシサンゴ目>ムカシサンゴ亜目>ハナヤサイサンゴ科
>ハナヤサイサンゴ属
《その他の区分》好日性サンゴ・ハードコーラル
《枝径》末枝・イボの径:1.5~3mm
《生息場所》礁地内~リーフ外縁・水深0~10m
《特徴》
サンゴ礁に見られる固着性の群体で、直径は最大500mm程度になりますが、その多くは小型群体に留まります。形状はカリフラワーの様な準塊状が基本ですが樹枝状になったりもしますし、枝も厚板状になる事もあれば細かく枝分かれする事もあり、波の強さや光の量など、生息環境による変異は著しいとされています。
群体の全面はコブ状突起に覆われ、このコブの上にもポリプがあります。サンゴ個体はミドリイシの様に突出はせず、共骨に沈みますが、わずかながら円錐状に突出する事もあります。莢(きょう=ポリプ1個が収納されるお家)はφ1mm程度と微細で明瞭な内部構造を欠くか、未発達な低い軸柱(じくちゅう)と不揃いな2環列12枚の隔壁(かくへき)があります。
これらはハナヤサイサンゴ属全般を共通する特徴で現在、約10種が知られており、サンゴ礁域北限の日本周辺海域には5種が分布しているそうです。本種は広範囲に分布しますが他の4種(イボハダハナヤサイサンゴ・チリメンハナヤサイサンゴ・ヘラジカハナヤサイサンゴ・Pocillopora woodjonesi Vaughan,1918)はサンゴ礁域に限られています。

《飼育》
◎水質
清浄な場所に生息しますが、むしろ照明や水流にデリケートな様に感じます。成長そのものは早いサンゴ種です。
◎照明
概して一般論ですが、強めの光量を好む傾向にありますが、短波長・長波超両方を要求するように思います。またレイアウトのポイントですが、HANNA調べでは岩礁の斜面~水平面のやや凹みのある場所に固着している事が多い様に思います。
◎水流
これも生息地により好みが分かれる所ですが、一般論としてはやや潮通しの早く、沖から冷たい海流が流れ込むような場所に多く生息しているように感じます。先ずは中程度から始めてみられてはいかがでしょうか。こちらも上記の生態にある「枝ぶりと生息環境の関係」を参考にしながら様子を見てください。またデトリタスが溜まりやすい表面ですので、最低でもその点は注意が必要です。
◎給餌
他の生体のおこぼれで充分かと…小まめな天然海水での換水なら尚更、気にしなくても大丈夫そうです。